日本の 町の あなたの 板金工場
若井製作所

材料の見直し

鉄から○○

鉄じゃ錆びるからステンレス(おそらく304を指します)で。と、ご指示頂く事が多々あります。
100グラムの価格差をご存知ですか?
鉄 100g 12円
304 100g 42円
2018/2現在で板厚t2を参考しました。
また、鉄板の購入サイズは915X1830(mm)ですがステンレスは1000X2000です。
製作個数が少ないと残った材料の比率が高くなり、価格も上昇します。

例 製品サイズ 100X200(mm)製作個数1個 
材料費(材料1/8枚分)
鉄板 1個 410円
304 1個 1690円 

価格差 1280円となります

ステンレス以外に錆びにくい素材はたくさんあります。
厳密に言うと違うのですがステンレスも錆が進むことがあります。

純粋にメッキする

錆びないようにメッキする方法があります。
上記の100X200(mm)の3価クロメートメッキ費用は200円から500円(概算)となります。

・3価クロームメッキ(アロジン)
昨今のRoHS対応でクロームメッキは錆びやすくなってしまいましたが一番安価です。
・ニッケルメッキ(電気)
膜厚が厚くなればなるほど高価ですがきれいな銀色(鏡面)となります。
・無電解ニッケル
カニゼンメッキと呼ばれていたのはいつまででしょうか?こちらも古くからあるメッキ方法です。
・スズメッキ
・クロムメッキ・・・・色々選択肢はあります。

ボンデ鋼鈑(今はクロムフリー鋼板)を使用する

鉄に予めメッキが施してある鋼鈑です。
上記の100X200(mm)の材料費用は460円となります。
切断面は錆びますが錆が発生する箇所が少ないため錆びにくいです。
屋内で使用するのであれば選択可能と思います。

SUS430 (磁性のあるステンレス)を使用する

SUS304よりは安価です。
上記の100X200(mm)の材料費用は910円となります。
磁石がくっつきます。昭和の時代の台所の流しとかはこの材料です。
若井製作所で製作し自社でも使用する棚や台車もこの材料です。
(屋内で6
年使用で錆びありません)
こちらも屋内での使用を進めますが条件によっては屋外でも意外とタフです。


銅は動く

無酸素銅タフピッチ銅リン脱酸銅
市場で流れる銅は動きやすい(流通性)です。

いつの間にか市場性がなくなり流通量が減って入手難になり、価格上昇といった経験があります。
もう一度、入手性のご確認をお勧めします。

入手難の材料は日本中探しまわります。
遠くにあった場合は送料が加算されます。


A2017PとA5052P

単独部品で強度が必要で曲げないのであればA2017Pでも選択肢に入るかもしれません。
切削で考えればA2017Pから考えるってのも分かります。
タレパンなどで加工する場合も問題はなく、バリの発生自体は少ないくらいです。
しかしながら下記の項目に1個でも可能性があるのであればA5052Pをお勧めします。

・神戸製鋼の問題に関わりあいたくない
A2017の薄板は三菱か神戸です。
一連の問題で今現在(2018/2)A2017の薄板で一部の板厚は入手難が発生しています。
大手が引っ張って(確保)いって、手に入れられませんので製作できません。
手に入っても、遠いところから引っ張ってくるため、送料が加算されていたりします。

・他にもアルミを取り扱っている
複数の材種を使うという事はその製品を作り、余った材料も価格に見込まれている
かもしれません。
同一材で有れば材料の余りが少なくなり安価対応ができます。
他のパーツには曲げがある場合は材種を統一することをお勧めします。

・アルマイトメッキを考えている
メッキ乗りがA5052Pと違うため、他のアルミ加工品がある場合、色合いがバラバラになります。

・曲げ加工がある
基本的にA2017は曲がりません。(熱を入れたりすれば、、)
曲がったとしても強度が不足する可能性が高いです。

板厚の選択

切削加工では面さえも削ってしまって厚さを変えることができますが、薄ければ薄いほど歪みます。
規格品の厚さを把握し設計するとびっくりするくらい安価になる場合が有ります。

下記は実際にあった事例です。

1枚の平板の加工物で板厚を1.25mmで設計されている。
公差指定がJIS0405mの図面で切削加工を考えた設計です。

まず、板厚1.25mmが本当に必要かどうか?が疑問です。

仮に必要な場合、材料の厚さの公差はいくつでしょうか?
プラスマイナス 0.1mm が普通公差だと思われます。
つまり1.16mmから1.34mmまで公差内で受け入れなくてはなりません。

1.25mmは市場性がないので本当に必要で製作すると100から200kg単位です。

よって一番近い1.5mm板から1.25mmへの切削加工となります。

本当にそれをお望みですか?
おそらくというか、間違いなく難加工のため高価です。

弊社のご提案

弊社営業 1.2mmの材料を使った加工品ではNGですか?(実寸値1.16mm)

お客様 OKだよ。問題ない

弊社営業 公差はJIS0408Bで可能ですか?

お客様 OKだよ。全然問題ない

コストダウン成功!となりました。

上記のように設計時は1.25mmで部品の使用時には1.2mmの加工でOKの場合、どのくらいの価格差があるか?
怖くて考えられません・・・
50mm角の大きさでおそらく1個10000円位の差が出ると予想します。